機械学習 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/machine-learning/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Thu, 17 Jul 2025 06:33:10 +0000 ja hourly 1 人間のように認識し、人間以上に理解するAIの開発 /whoslab/research/watanabe-t/ Wed, 27 Mar 2024 03:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=8875 AIの進化は、学習技術の進化を意味するといっても過言ではありません。「21世紀中には実用化されない」と言われていたAIが急速に実用化されるようになったのは、ニューラルネットワークと呼ばれる機械学習の技術が進化したから。渡 […]

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AIの進化は、学習技術の進化を意味するといっても過言ではありません。「21世紀中には実用化されない」と言われていたAIが急速に実用化されるようになったのは、ニューラルネットワークと呼ばれる機械学習の技術が進化したから。
渡邊研究室では、様々なアプローチで学習技術の向上に挑んでいます。

2次元のカメラ画像から
3次元形状を正確に認識

研究テーマの一つは、カメラで撮影した画像を処理して物体を計測し、コンピュータ上に3次元の形状を復元するコンピュータビジョンという技術の高精度化です。製造ラインでの外観検査、文化財などのデジタルアーカイブ化など幅広い分野で求められています。カメラ画像による3次元計測や3次元形状の復元では、カメラ画像中の物体の位置と現実空間における位置との対応関係をより高精度にモデル化することが課題です。

渡邊教授は、コンピュータビジョンの中でも対象とカメラとの距離が変わっても、正確に形状を認識させる学習アルゴリズムを開発しています。

また、3次元形状の復元の際に、レンズ焦点距離、カメラの位置や姿勢、レンズのゆがみなどを計算に入れて微調整を行うカメラキャリブレーションの高精度化もテーマ。周囲の光の影響やヒューマンエラーによるノイズが多く含まれていても精度の高い認識がより速くできるアルゴリズムを研究しています。

普通自動車の外形状を三次元計測した結果(三次元点の集合→ポイントクラウド)

スピーディに学習する
オセロAIとは

また渡邊教授は、ゲームAI技術の開発にも取り組んでいます。ゲームAIには、長い目で見て最も価値が高くなる、つまりゲームに勝利することを目標に、試行錯誤しながら打ち手を学ぶ強化学習の技術が使われています。

研究室では、オセロAIを開発。AIは石を置ける位置やターンできる石の数などゲームの状態を認識して次に石を置く位置を決定します。その行動に対して報酬が与えられ、AIは総報酬がより高くなるよう指し手を決めます。ゲームを繰り返す中で、報酬の高い価値ある指し手を選択するようになります。

一方、ゲームの状態とその際の指し手の組み合わせは膨大で、現実的に計算は不可能になります。そこで、指し手の価値の推定にニューラルネットワークという人間の思考プロセスを再現した学習方法を取り入れ、より効率的に判断することを可能にしました。

また、盤面が回転したり、線対称、点対称になっていてもゲームの進行状況は同じだと認識するようなモデルを提案し、学習速度の向上やメモリ消費量の改善をめざしています。

4×4オセロにおける Q 学習
学習初期段階でのQ学習先攻での勝率比較(モンテカルロ)

自分と対局する学習で
ゲームAIはどこまで賢くなる?

2017年に登場した囲碁AIの新バージョンでは、棋譜データを学ぶことなく、コンピュータが自分自身と対局し続けることで強化されました。また囲碁AIは、新しい定石を生み出し囲碁の戦い方を変えたと言われますが、それは人が決めた定石を学ぶのでなく、対局データから定石を発見するからです。
人が見えていないモノ、気づいていないものを見つけ、人間には思いつかなかった最適解を導く。人を超えるAIの誕生もそう遠くないかもしれません。

.リストバグのため

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AI技術を駆使した医用画像処理研究で小児水頭症の脳室領域抽出をより高精度に /whoslab/research/iwamoto/ Thu, 21 Sep 2023 01:13:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=4270 脳脊髄液の循環障害によって、脳の内部にある空間、脳室に過剰に溜まった髄液が、脳を圧迫しさまざまな障害を引き起こす水頭症。頭部CTスキャンやMRIでその領域を特定し診断します。岩本准教授が医療機関と共同で研究しているのは、 […]

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脳脊髄液の循環障害によって、脳の内部にある空間、脳室に過剰に溜まった髄液が、脳を圧迫しさまざまな障害を引き起こす水頭症。頭部CTスキャンやMRIでその領域を特定し診断します。
岩本准教授が医療機関と共同で研究しているのは、AIのディープラーニングを活用した、さらに精度の高い医用画像処理技術です。

ディープラーニングによる画像セグメンテーションにより、
小児水頭症の脳室の体積を正確に測定 
疾患の定量化や患者に分かりやすく伝えることができるゴールを目指す
 

医療機関との共同研究のテーマは、医用画像から小児水頭症の脳室をセグメンテーションし、より高精度な解析と的確な診断へ導くソフトウェアの開発。特に小児は脳形状が多様であることから難易度の高さも課題となります。

現在、ディープラーニングを活用しながら高い精度で領域をセグメンテーションすることで、対象となる脳室の体積を測り、定量化する技術を開発しています。この技術が確立できれば、 正確に測定された体積から、疾患の定量化や、患者に術前・術後の変化を分かりやすく伝えたりすることが可能になります。

左)正常な脳室と, 右)水頭症の脳室のイラスト.

今後ますますニーズが高まる、医用画像の自動セグメンテーションと
画像処理技術に着目! 
既存の技術もブラッシュアップすることで医療分野にAIの技術で貢献

医用画像の対象となる領域を自動でセグメーテーションし、現場の医師が直感的に利用できるシステムの開発は、今後ますます医療分野で必要とされる技術の一つです。

MRIやCTの画像から特定の臓器に色をつけて抽出する技術の一例
(Medical Image Decathlonデータセット画像 (spleen)(Licensed under CC-BY-SA 4.0)[1,2]をITK-SNAP[3]ソフトウェアで表示).

上の画像のように脾臓や肝臓を抽出する技術はすでに広く活用されていますが、その精度をできるだけ上げるために最新のアルゴリズムを使ってその開発に取り組んだり、小児水頭症のように、これまでセグメンテーションの研究例が少ない領域に着目し、ソフトウェアの開発を目指したりしています。

このほか、CTスキャンやMRI画像のノイズ除去や、解像度を上げるなどの医用画像処理に関する研究にも取り組み、医療分野で広く活用されるAI技術の発展に力を注いでいます。

医療分野で医師と患者をサポートする
システム開発のAI技術

開発中の技術が確立すれば、現在共同研究中の医療機関で実際に医学的な解析に活用いただく予定です。 研究テーマでもある医用画像処理の分野でAIを駆使して医療現場に少しでも力添えができれば、と考えています。たとえば、随分先の未来になりますが、医師の診断をサポートするような技術や、 身体に気になる症状があった場合、患者自身が写真を撮って、まず画像である程度診断し、後に医師が適切な診断ができるようなシステムを開発できればと考えています。

参考文献

  1. Medical Segmentation Decathlon, [Online]. Available: http://medicaldecathlon.com/
  2. Amber L. Simpson et al. “A large annotated medical image dataset for the development and evaluation of segmentation algorithms”,
    arXiv:1902.09063
  3. Paul A. Yushkevich, Joseph Piven, Heather Cody Hazlett, Rachel Gimpel Smith, Sean Ho, James C. Gee, and Guido Gerig. User-guided 3D active contour segmentation of anatomical structures: Significantly improved efficiency and reliability. Neuroimage 2006 Jul 1;31(3):1116-28. [Online]. Available: www.itksnap.org

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人間が自ら解決策を導き出すための良き相談相手になれるAIを研究 /whoslab/research/takeuchi/ Thu, 21 Sep 2023 01:03:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=1727 私たちの質問に答えてくれる対話型のAIやチャット等が増えていますが、コンピュータは本当に私たちの質問を「理解」しているのでしょうか。自然言語処理を扱う竹内研究室では、「“わかる”とは何か」に注目しながら、人の相談者になれ […]

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私たちの質問に答えてくれる対話型のAIやチャット等が増えていますが、コンピュータは本当に私たちの質問を「理解」しているのでしょうか。
自然言語処理を扱う竹内研究室では、「“わかる”とは何か」に注目しながら、人の相談者になれるAIを研究しています。

世間で活躍するAIの作業の多くは
「思考」や「理解」というより「翻訳」

「リンゴとは何か説明してください」と質問されたら、多くの人は「木になる赤い果物」と答えるでしょう。けれども、答えの続きは、たとえばリンゴ農家と画家ではかなり異なるはずです。両者が対話すればリンゴの知識が増え、お互いに対する理解も深まります。その後リンゴを育てる時、あるいはリンゴを描く時のヒントを得るかもしれません。

一方、最近のAIに同じ質問をしても、ある程度詳しく答えてくれますし、私たちが日常話す言語である自然言語を使ってやりとりするので、AIが考えているように感じます。しかしそれは「リンゴ」という単語に紐付いた文言を取り出しているだけであってコンピュータがリンゴについて理解して答えているわけではありません。

自動翻訳・自動チャット・要約・絵を書くツール等もコンピュータが考えているのではなくプログラムに沿って該当する文言や絵を提示している「翻訳技術」なのです。

プログラムの構造分析
色で囲んでいるところは「変数に値を代入」といったプログラムでよく使う言葉で表現できる部分を示している.つまり人間の言葉からプログラムを生成する基礎となる.

汎用型「翻訳」からオーダーメイド「通訳」へ 
対話の実現に必要な「意図の推論」をめざす

英語から日本語への自動翻訳など、翻訳技術の精度は高くなっていますが、AIと話が噛み合わない経験をした人も多いと思います。これは、「リンゴは赤い」とだけ定義すると青リンゴはリンゴでなくなってしまうように「Aを語るとA以外を捨てる」という言葉の持つ特性と関わっています。

こうした誤りを防ぐにはコンピュータと「対話」を重ねてリンゴの意味をより豊かにすることが不可欠です。対話を増やすことで、AIは前後の文脈や問題の個別性をふまえた内容を返すことができます。つまり翻訳から通訳へのバージョンアップです。AIが対話を実現するには人間の意図を推論する必要があります。

竹内研究室ではネット上にあるさまざまなテキストを機械学習で解析し、さまざまな意図パターンを整理しています。「わかるとは何か」というAIの根源を見つめ直す研究でもあるのです。

議論分析の結果
横軸・縦軸で作られた平面上の点は特定の話題を示す.それぞれの点はそれぞれの話者が言及している話題. 話者は色分けされているため,どの話題に対して複数の話者が密接に議論をしているかが分かる.
ニューラルモデル
近年発展の著しい深層学習は言葉の意味をベクトルで表現することができる.開発した手法では, 言葉の意味を一方向だけではなく縦方向と横方向の二方向から分析することができる.

難しい問題をあなたと一緒に考える専門分野ボット
人間の判断を支援する!

専門知識を持ち、人間の意図を理解するAIが実現すれば、質問者と対話を重ねて個別の状況に応じたアドバイスをする法律ボットや医療ボットとして、弁護士や医師の代わりに気軽に相談できます。
また、行政の議事録や裁判記録を読み込むことで、結果だけでなくプロセスをふまえた行政や司法のチェックが可能になります。ここで大切なのは、AIは選択肢を提示する援助的存在であり、最終判断をするのはユーザである人間だということです。

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学習者を模倣する模倣学習エージェントは人間と機械知の共生関係を実現できるか? /whoslab/research/ueno/ Tue, 11 Apr 2023 01:37:54 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=1324 植野准教授は、AIの機械学習を活用し、ボードゲーム・オセロに取り組む人間の、スキルや癖なども含めた振る舞いを模倣することができる「模倣学習エージェント」を開発。自らの戦術やスキルを可視化して振り返り、教育的な“鏡”として […]

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植野准教授は、AIの機械学習を活用し、ボードゲーム・オセロに取り組む人間の、スキルや癖なども含めた振る舞いを模倣することができる「模倣学習エージェント」を開発。自らの戦術やスキルを可視化して振り返り、教育的な“鏡”として「模倣学習エージェント」が利用できるかを検証しています。

説明可能なAI=XAIを活用し、学習者の戦術や思い込みまでをも可視化 
自らを振り返ることで体験的・対話的な学習ができる
教育的システムを開発し、検証中

世の中には機械学習を使ったさまざまなAIが活用されています。

機械学習の手法であるディープラーニングなどにより、素早く正確率が極めて高い分析や判断が可能になりましたが、その結果に至る根拠や理由は示されないことから、“ブラックボックス”といわれています。そこで、示されない部分を説明できる=可視化できる“ホワイトボックス”型のAIが研究されています。これがXAI(eXplainable AI)=説明可能なAIです。

植野准教授は、従来のAIに触れた経験から、もっと人間に寄り添うAIが必要なのではないかと考え、学習者の振る舞いを模倣することができる「模倣学習エージェント」を構築。これにXAI技術を組み合わせることで、学習者が持つ戦略を可視化し、戦略の学習に用いることができるかを研究しています。

オセロをテーマに模倣学習エージェントが学習者の「鏡」となり
自身の視点を客観視する教育エージェントとなる可能性を探る

教育エージェントの1つである「模倣学習エージェント」は、オセロをプレイするプレイヤー(人間)の振る舞いを模倣して、同じように振る舞えるように学習します.
その上でこの模倣学習エージェントと対戦したり、その戦略を可視化することで、学習者が自らの暗黙的戦術・戦略スキルや思い込み、弱点や見落としていた点までをも振り返り客観視することで、軌道修正したり改善を試みたりすることが可能になります。

エージェントを教育的な意味での「鏡」として機能させ、それと対話することで教育を行うという発想です。学習者とエージェントとの能力差が小さいほど、その欠点や問題に気付きやすくなると考えられ、高い教育効果が期待できます。

オセロを使った「視点の可視化」
学習者が自分の思い込みや弱点,見落としていた点をリフレクションできる.また,自分の戦術や戦略スキルを振り返ることもできる.

さまざまな体験的・対話的なスポーツや学習で
活用し、機能していくことが可能に

模倣学習エージェントが学習したことを構築できた段階で、その戦略がどうなっているかを抽出できれば、体験的・対話的な学習――要するに相手が必要であるさまざまな学習に用いることが可能になると考えられます。
たとえばオセロ以外のボードゲームなどの対局、eスポーツや討論、外国語会話、スポーツの対戦などで教育に活用することも考えられますし、教師が「バーチャル生徒」を利用して、指導方法を学習することも考えられます。

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