LEGO | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/lego/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Mon, 02 Sep 2024 06:14:58 +0000 ja hourly 1 数値計算・3Dプリンタ・レゴなど多彩な手法でメカニズムを可視化 /whoslab/research/tanaka-h/ Thu, 21 Dec 2023 01:52:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=6113 私たちの身のまわりにあるさまざまなモノ。その形や動きは実にユニークですが、背景には必ず物理や数学の理論があります。田中研究室は、面白い動きや不思議な造形をしたモノの機構=メカニズムを解き明かしながら、そのモノを設計し実際 […]

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私たちの身のまわりにあるさまざまなモノ。その形や動きは実にユニークですが、背景には必ず物理や数学の理論があります。
田中研究室は、面白い動きや不思議な造形をしたモノの機構=メカニズムを解き明かしながら、そのモノを設計し実際に作る「モノづくり」の研究室です。

6000連の振り子の動きをシミュレーション! 
3Dプリンタでパーツを作り、立体造形に

振り子とは、支点から吊るされ、重力の作用によって揺れを繰り返す物体のこと。ブランコや振り子時計などは、振り子になります。誰もが目にし、知っているように、左右に周期的に動きます。ところが、振り子を2つつなげた「二重振り子」は、一度揺らすととても複雑で非周期的な運動をします。この予測できない動きがカオス現象。二重振り子なら実際に現物を作って実験・検証することができますが、振り子を数百・数千もつなげて運動軌跡を検証することはほぼ不可能です。

そこで、田中教授はFORTRAN77というコンピュータ言語を使って、振り子が6000個連なる6000重振り子の運動シミュレーションを実施。その軌道は複雑で美しく、動画で見るとまるで風に舞うリボンのようにも見えます。このように、現実では実作不可能なものを、理論上で可視化することができます。

逆に、3DCAD3Dプリンタを使いこなすことで、綿密にシミュレーションして設計したものを、具体的なモノとして作り出すこともできます。3Dプリンタは大きいものを作ることは苦手なため、作りたいものを細かいパーツに分け、個別に3Dプリンタで出力し、組み立てて完成させます。

たとえば、この球体に近いものは切頂二十面体(Truncated Icosahedron)からできています。切頂二十面体とは、20の正三角形からなる正二十面体の各頂点12個を切り落とし、20の正六角形と12の正五角形にしたもの。さらに正六角形を6分割、正五角形を5分割し、全てを小さな240の三角形のパーツで出力し、組み立てています。

6000重振り子の運動シミュレーション
振り子が描く軌道は複雑で美しく,まるで風に舞うリボンのように見える.
切頂二十面体(Truncated Icosahedron)
20の正三角形からなる正二十面体の各頂点12個を切り落とし,20の正六角形と12の正五角形に.さらに正六角形を6分割,正五角形を5分割し,全てを小さな240の三角形のパーツで出力し,組み立てている.

レゴを使ってLEGメカニズムを実作! 
さらには機械式コンピュータ制作にも挑戦

またパーツから設計するのではなく、レゴブロックを使ったモノづくりにも挑戦中。たとえば「ストランドビースト」。オランダの彫刻家テオ・ヤンセンの造形で、風力によって生物のように歩く作品群です。その動きは「テオ・ヤンセン機構」と呼ばれ、組み合わせるとロボットを歩行させることもできます。

田中教授は、このストランドビーストをレゴで作り直し、LEGメカニズム(歩行メカニズム)を研究。その成果も活かしつつ、モーターや制御等を使わず、形と重量バランスだけで、重力によって斜面を歩く受動歩行(Passive Walker)のロボットを制作しています。

レゴを使ったさらなる挑戦は、機械式のコンピュータ制作です。そのモデルとなっているのが、ドイツ科学技術博物館に収蔵されている金属製の機械式コンピュータ「Zuse Z1」。ドイツの発明家、コンラート・ツーゼが制作したもので、世界初の「自由にプログラムできるコンピュータ」と言われています。

基本的に、コンピュータは二進数を用いて演算を行います。0か1かの信号を、半導体を流れる電流の有無で表し、その最小単位の回路を「論理ゲート」と呼びます。田中教授は、この論理ゲートをレゴで作り、いくつも連結させることで複雑な計算ができるコンピュータをめざしています。

現在、当時の資料を取り寄せて制作中ですが、まだ未解明の部分も多いそうです。完成すれば、世界初のレゴ製機械式コンピュータの誕生。どんな大きさ・形なのかも楽しみです。

レゴで制作されたPassive Walker
ストランドビースト(Theo.Jansen)のLEGメカニズム(歩行メカニズム)の研究成果を活かし,モーターや制御等を使わずに,形と重量バランスだけで,重力によって斜面を歩く受動歩行(Passive Walker)するロボットを制作.
ドイツの発明家,コンラート・ツーゼが制作した機械式のコンピュータ「Zuse Z1」. レゴで再現するという挑戦が始動!

楽しい! からスタートした技術が
月面基地設置に役立つ!?

これを学びたい! 知りたい!と感じる研究の第一歩は、「役立つ/役に立たない」ではなく、楽しいからトライするという好奇心。
けれども、たとえば240のパーツに分けた切頂十二面体は、圧力に強い球体に近く、運搬もコンパクト。月面基地を設置する際には、こうした設計技術が大いに役立つはずです。

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