設計 | WHO’S LAB |大阪電気通信大学研究室紹介サイト /whoslab/research-keyword/designing/ WHO'S LABは、大阪電気通信大学の研究活動を発信する専用サイトです。 Fri, 22 Nov 2024 05:10:33 +0000 ja hourly 1 新しい暮らしの楽しみや価値を見出す空間づくり /whoslab/research/research-umehara/ Tue, 03 Sep 2024 02:00:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=13106 建築を中心に、家具からサッカースタジアムまで、さまざまなスケールのデザインを手がけてきた梅原教授。ヨーロッパで活動してきた経験を生かし、新しい暮らしの楽しみ方や価値の発見につなげていきたいと考えています。人が本当に心地よ […]

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建築を中心に、家具からサッカースタジアムまで、さまざまなスケールのデザインを手がけてきた梅原教授。ヨーロッパで活動してきた経験を生かし、新しい暮らしの楽しみ方や価値の発見につなげていきたいと考えています。人が本当に心地よいと感じる空間づくりのために、柔軟な発想を形にしています。

従来の形やイメージに
とらわれない発想

本学での教育のかたわら建築家としても活躍する梅原教授は、住宅、リノベーション、インテリア、エクステリア、家具などを手がけ、他の事務所と組んで大規模な設計コンペにも参加しています。建築家として重視しているのは、人が本当に心地よいと感じる空間づくり。スケールや用途の違いがあっても、人がそこにどう関わるのかをデザインしていくという仕事の本質は同じだと考えています。
住宅デザインの場合、住む人のライフスタイルや持ち物、アクティビティなどが絵だとすると、それを包む額縁となるのが住宅。シンプルで、暮らし方に共感し寄り添えるような建物デザインであることを大事にしています。
心地よさをつくり出す源泉として見た目や手触りに重きを置き、従来の形やイメージにとらわれない発想でデザインしてきました。建物ではなく敷地に対して適切な屋根を架ける試みや鍵穴すら隠してしまう玄関扉など、ときに既成概念を打ち壊すような発想を形にしています。

「北白川の角家」 市川靖史(撮影)
周辺は閑静でありながら道も狭く込み入った新旧の小住宅が建ち並び,その屋根や外観もバラバラである.そこで街区の角地という特徴を活かし,建物ではなく敷地に対して適切な屋根をデザインすることで,隣の児童公園や前面の緑地帯の自然なオープンスペースを意識させる.
「北白川の角家」 市川靖史(撮影)
ほとんどの時間を過ごすLDKのある二階を中心とし,三階やロフトをつなぐ吹抜け,テラスから大きく張り出した天井によって,開放的に一体化されたワンルームのようなスペース.床スラブやキッチン・階段などで死角をつくりながらも家族全体の気配を感じながら生活することができる.

ヨーロッパの経験を生かし
新たな価値を発見

梅原教授は日本の大学・大学院で建築を学んだ後、デンマーク王立芸術アカデミーに留学。建築がすべてのデザインの源だと考えられている北欧での学びは刺激的で、建築家として活躍するための大きな力になったと言います。
卒業後、建築家としての最初のキャリアはオランダでスタート。留学先の先生から「英語が通じて経済が安定し、建築的にも面白いのはオランダしかない」と薦められたそうです。そのオランダの建築事務所で13年間働き、集合住宅や住宅のほかホテル、教会、サッカースタジアムなど多彩な仕事を経験。中には日本では携わることが難しいようなプロジェクトもあり、建築だけでなく文化的な側面を含めた貴重な経験を得ました。
梅原教授はヨーロッパで国際的な建築設計に携わった経験を生かし、新しい暮らしの楽しみ方や価値の発見につなげたいと考えています。現在、建築業界では国際コンペが増え、建築家の活躍フィールドも広がってきました。教育の中でグローバルな視野を養う機会を提供することで、世界に向け積極的にアクセス(orアプローチ)し、グローバル化を肌で感じることが大切だと考えています。幅広い視野や柔軟な発想力を養うべく、海外留学や海外研修を推奨しています。

「H’House」/ Wiel Arets Architects (梅原 悟 設計・撮影)
コンクリートのスラブと柱をガラスで包み,内部はカーテンで空間を緩く仕切りながら,キッチンやダイニングテーブル,階段,ベッドといったエレメントがオブジェのようにインストールされているというシンプルな構成になっている.

建築のグローバル化で
どんな風景が生まれる!?

建築のグローバル化が進む時代、気候の違いに対応したデザイン、建築ビジネスの違いなど、建築家の備えておくべき知識は多様化しています。また、現地の人と協働する機会も増えていくでしょう。
グローバルに活躍する建築家のデザインは、街や風景、建築をどう変えていくのでしょうか。日本の建築家は、世界の町でどんな仕事をするのでしょうか。異文化同士が互いに影響し合いながら新しい価値が生まれる姿は、私たちをワクワクさせてくれます。

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数値計算・3Dプリンタ・レゴなど多彩な手法でメカニズムを可視化 /whoslab/research/tanaka-h/ Thu, 21 Dec 2023 01:52:00 +0000 /whoslab/?post_type=research&p=6113 私たちの身のまわりにあるさまざまなモノ。その形や動きは実にユニークですが、背景には必ず物理や数学の理論があります。田中研究室は、面白い動きや不思議な造形をしたモノの機構=メカニズムを解き明かしながら、そのモノを設計し実際 […]

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私たちの身のまわりにあるさまざまなモノ。その形や動きは実にユニークですが、背景には必ず物理や数学の理論があります。
田中研究室は、面白い動きや不思議な造形をしたモノの機構=メカニズムを解き明かしながら、そのモノを設計し実際に作る「モノづくり」の研究室です。

6000連の振り子の動きをシミュレーション! 
3Dプリンタでパーツを作り、立体造形に

振り子とは、支点から吊るされ、重力の作用によって揺れを繰り返す物体のこと。ブランコや振り子時計などは、振り子になります。誰もが目にし、知っているように、左右に周期的に動きます。ところが、振り子を2つつなげた「二重振り子」は、一度揺らすととても複雑で非周期的な運動をします。この予測できない動きがカオス現象。二重振り子なら実際に現物を作って実験・検証することができますが、振り子を数百・数千もつなげて運動軌跡を検証することはほぼ不可能です。

そこで、田中教授はFORTRAN77というコンピュータ言語を使って、振り子が6000個連なる6000重振り子の運動シミュレーションを実施。その軌道は複雑で美しく、動画で見るとまるで風に舞うリボンのようにも見えます。このように、現実では実作不可能なものを、理論上で可視化することができます。

逆に、3DCAD3Dプリンタを使いこなすことで、綿密にシミュレーションして設計したものを、具体的なモノとして作り出すこともできます。3Dプリンタは大きいものを作ることは苦手なため、作りたいものを細かいパーツに分け、個別に3Dプリンタで出力し、組み立てて完成させます。

たとえば、この球体に近いものは切頂二十面体(Truncated Icosahedron)からできています。切頂二十面体とは、20の正三角形からなる正二十面体の各頂点12個を切り落とし、20の正六角形と12の正五角形にしたもの。さらに正六角形を6分割、正五角形を5分割し、全てを小さな240の三角形のパーツで出力し、組み立てています。

6000重振り子の運動シミュレーション
振り子が描く軌道は複雑で美しく,まるで風に舞うリボンのように見える.
切頂二十面体(Truncated Icosahedron)
20の正三角形からなる正二十面体の各頂点12個を切り落とし,20の正六角形と12の正五角形に.さらに正六角形を6分割,正五角形を5分割し,全てを小さな240の三角形のパーツで出力し,組み立てている.

レゴを使ってLEGメカニズムを実作! 
さらには機械式コンピュータ制作にも挑戦

またパーツから設計するのではなく、レゴブロックを使ったモノづくりにも挑戦中。たとえば「ストランドビースト」。オランダの彫刻家テオ・ヤンセンの造形で、風力によって生物のように歩く作品群です。その動きは「テオ・ヤンセン機構」と呼ばれ、組み合わせるとロボットを歩行させることもできます。

田中教授は、このストランドビーストをレゴで作り直し、LEGメカニズム(歩行メカニズム)を研究。その成果も活かしつつ、モーターや制御等を使わず、形と重量バランスだけで、重力によって斜面を歩く受動歩行(Passive Walker)のロボットを制作しています。

レゴを使ったさらなる挑戦は、機械式のコンピュータ制作です。そのモデルとなっているのが、ドイツ科学技術博物館に収蔵されている金属製の機械式コンピュータ「Zuse Z1」。ドイツの発明家、コンラート・ツーゼが制作したもので、世界初の「自由にプログラムできるコンピュータ」と言われています。

基本的に、コンピュータは二進数を用いて演算を行います。0か1かの信号を、半導体を流れる電流の有無で表し、その最小単位の回路を「論理ゲート」と呼びます。田中教授は、この論理ゲートをレゴで作り、いくつも連結させることで複雑な計算ができるコンピュータをめざしています。

現在、当時の資料を取り寄せて制作中ですが、まだ未解明の部分も多いそうです。完成すれば、世界初のレゴ製機械式コンピュータの誕生。どんな大きさ・形なのかも楽しみです。

レゴで制作されたPassive Walker
ストランドビースト(Theo.Jansen)のLEGメカニズム(歩行メカニズム)の研究成果を活かし,モーターや制御等を使わずに,形と重量バランスだけで,重力によって斜面を歩く受動歩行(Passive Walker)するロボットを制作.
ドイツの発明家,コンラート・ツーゼが制作した機械式のコンピュータ「Zuse Z1」. レゴで再現するという挑戦が始動!

楽しい! からスタートした技術が
月面基地設置に役立つ!?

これを学びたい! 知りたい!と感じる研究の第一歩は、「役立つ/役に立たない」ではなく、楽しいからトライするという好奇心。
けれども、たとえば240のパーツに分けた切頂十二面体は、圧力に強い球体に近く、運搬もコンパクト。月面基地を設置する際には、こうした設計技術が大いに役立つはずです。

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